採用と育成の未来会議を始めた理由について
- ユーミン
- 6月14日
- 読了時間: 5分
更新日:6月15日

美容業界で働くことの本質を見直す「採用と育成の未来会議」1回目が6月20日(金)19時から いよいよスタートします。「採用と育成の未来会議」を始めようと思った理由については、これまで個別にお伝えしてきましたが、あらためてこの場をお借りして、皆様と共有させていただきたいと思います。 1、美容業界の求人活動において“本質”を見つめ直したい
まずひとつ目の理由は、美容業界の求人活動において“本質”を見つめ直したいという想いからです。
美容業界における求人活動の本質とは何か。それは、「条件」で競い合うのではなく、「どんな美容師になりたいか」「美容師になって何をしたいのか」といった“目的”に根ざした求人活動こそが、あるべき姿ではないかと考えています。
ご存じのとおり、近年の求人活動の入り口戦略は過熱しています。給料、休日、デビューまでのスピード、福利厚生の充実、さらには「日曜日も推し活で休める」なんて、かつては考えられなかったような条件が並びます。
こうした好条件が一般企業に引けを取らない水準に達していることは、美容業界全体の社会的地位の向上という点で、とても喜ばしいことです。
しかし、それでもなお、美容師の離職率は減っていません。 なぜ、条件が良くなっても離職が減らないのでしょうか?
私は、ここに大きな疑問を感じました。社会情勢など様々な要因があると思いますが、もしかすると、美容師という職業の本質を、学生たちに正しく伝えられていないのではないか、そんな危惧を感じています。
美容師という仕事は、単に「条件」で選ぶべきではありません。サロン側としては、「どんな美容師になりたいか」「美容師になって何をしたいのか」という原点に立ち返り、採用と育成をデザインすることが今こそ求められているのではないでしょうか。この点について皆様と共に考えたいと思います。
そのため私たちが発行する美容学生向けの冊子『ナリタイ美容師になろう!』は、サロン選びの本質は、「この美容室に入ってこうなりたい」と思えることだと考え、給料や休日などの条件よりも、サロンで働くスタッフの想いや経営者の言葉にフォーカスしています。
創刊以来、多くの美容学校からの支持をいただき、「本当に必要な情報が載っている」と評価されています。未来会議に参加する皆様のほとんどが、『ナリタイ美容師になろう!』に長年掲載されているサロンの皆様であり、その価値観に共感し、継続的にご協力いただいていることに改めて深く感謝申し上げます。
2、学び合える場所をつくりたい
そしてもうひとつ、未来会議を始めた理由があります。それは、地域密着で派手さはなくても、本質的な美容師の育成に真剣に取り組んでおられるサロン同士が、学び合える場所をつくりたいという願いです。(実はサロン様からもこんな会を作って欲しいとリクエストをいただいておりました。)
情報があふれる現代。ネットやSNSには、参考になる情報があふれています。しかし、情報が多すぎるがゆえに、「何を信じていいのか分からない」という声もよく耳にします。
それは、美容学生の就職活動も同じです。本当に価値のある情報とは、“信頼できる人が伝えていること”。このことが、ますます重要になってきています。
そこで、価値観を共有し、信頼し合える皆様が集い、実りある情報交換を行い、サロンがより良い方向へと発展していくこと。それが、未来会議に込めたもう一つの大きな願いです。
地域で育った子どもたちが、美容師の仕事に触れ、 「この仕事、いいな」と思い、やがて地元の美容室で働くようになる・・。 そんな“地域循環型”の働き方こそ、今後の採用・育成において大切にしていきたい未来の姿だと、私たちは考えています。 3、美容専門学生と高校生、二本柱の採用
採用と育成の未来会議では、美容専門学生と高校生の両方を積極的に採用するハイブリッド型の新卒採用み取り組んでいきたいと考えています。
なぜなら、高校生こそ「地域循環型」の働き方にふさわしい人材であると私たちは考えるからです。
ただし、美容未経験である高校生をゼロから育成するには、いくつかの課題が生じます。
高校生採用における主な課題
技術・知識がゼロからのスタート → 業界未経験のため、基礎から丁寧な教育が必要です。
社会人マナーや責任感の未熟さ → 接客や職場での基本的な振る舞いを一から身につける必要があります。
教育体制の整備が不可欠 → 美容専門学校通信課程で学びながら働くため、学びと成長を支えるカリキュラムやサポート制度の導入が求められます。
これらの3点を押さえることで、高校生採用の成功率は大きく高まります。教育体制の整備や新人向けカリキュラムの構築など、これらの課題を乗り越えるために、本会が有意義に機能するよう努めてまいります。
4、未来の美容師を育てる裾野活動
未来の美容業界を支えるためには、「美容師の仕事っていいな!」と思ってもらえるきっかけを、もっと早い段階で届けていくことが大切だと感じています。
そこで私たちは、各地域のサロンを拠点に、地元の小学生・中学生・高校生を対象とした体験型の「美容塾」を開催したいと考えています。
ハサミに触れてみる、ヘアアレンジを学んでみる、スタイリングを楽しんでみる。そんなワクワクするような体験を通して、美容の仕事に興味を持ってもらう機会をつくることで、未来の美容師を育てる「裾野」を広げていきたいのです。そして、地域で活躍する美容師になっていただくよう、美容師の仕事の本質をしっかり伝えたいと思います。
「美容師になりたい」という気持ちの芽を地域で育むことは、サロンの未来、そして地域の未来にもつながっていく。そんな想いで、この活動を形にしていきたいと考えています。
最後に、この「採用と育成の未来会議」が、共通する想いや課題を持つサロン同士のつながりを深め、学び合い、支え合う場となることを願っています。未来の美容業界を担う人材をどう育て、どう迎えていくのか。そのヒントや実践がここから生まれることを、私たちは心から楽しみにしています。
採用と育成の未来会議主催
株式会社ビューティープロ
代表 荒井由美
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